PRESIDENT Interview  観山 正見 学長

2021.8.10

夢とチャレンジ精神を持ち、

この“学びの場”を積極的に活用して

社会で活躍する人になってほしい


学長

観山 正見さん

[みやま・しょうけん]
広島県東広島市の本願寺派長圓寺に生まれる。1975年に京都大学理学部卒業、1981年に京都大学大学院理学研究科博士課程修了。2006年に国立天文台台長に就任、2012年から広島大学特任教授を務める。2021年4月より、岐阜聖徳学園大学学長・岐阜聖徳学園大学短期大学部学長に就任。


いろいろな学部の学生がともに学ぶ

学部横断型の教養教育「Yawaragi Basis」は

社会に出てからの強みとなる


―2021年4月に学長に就任されましたが、本学に対してはどのような印象をお持ちでしょうか。

まず、本学の大きな特徴は、仏教精神に基づいた大学であるということです。たとえば、多くの会議では最初に礼拝を行いますし、現在は新型コロナウイルス対策のために実施を見合わせていますが、学生や教職員が参加できる勤行(ごんぎょう)を行っているなど、「以和為貴(和をもって貴しとなす)」や「平等」「寛容」「利他」の精神を、自然な形で学生や教職員が受け入れているのはとても良いことだと思います。

―“建学の精神”がしっかりと息づいていると感じておられるわけですね。そのほかにも、印象的だったことはありますか。

私は以前、国立の広島大学におりましたので、本学に来て、いわゆる学生のためのスペースや施設が充実していることに驚きました。図書館だけでなく、さまざまなサロンが設けられているなど、学生たちは“学ぶ場”に恵まれていると感じます。

―学生のみなさんは、外国語ラウンジ「Lounge MELT」や「AVサロン」のようなスペースを有意義に活用しています。

また、教育学部では教員になるためのレベルの高い教育や実践が行われており、さらに、これまで経験を積まれた教職員のみなさんの就職支援活動も素晴らしく、教員就職率は76%程度です。これは他の学部にも当てはまりますが、本学では、高い教育を受けた良い人材を社会に送り出しているということが非常に驚きでした。

―本学の学生については、どのような印象をお持ちでしょうか。

まだ、学生のみなさんと深く話す機会を持てていないのですが、雰囲気を見ていると、とても素直な学生たちだなという印象を受けています。スポーツクラブも多く、硬式野球部が全国大会に出場するなど活動がとても活発ですし、一人一人が学生生活を満喫していると思います。


―大学では、学生たちにどのような学びを体験してもらいたいと思っておられますか。

本学はいろいろな学部の学生が集まり、共に学ぶ学部横断型の教養教育「Yawaragi Basis」を行っていることが大きな特徴です。今の時代は、新型コロナウイルスや大地震、大災害など、我々がこれまで経験をしていないようなことが起こっています。しかし、人間は経験したことに対しては強くなれますが、未経験のことに対しては対応が難しいです。本学の学生は、この「Yawaragi Basis」を通して非常に幅広い知識を身に付けることで、これから社会に出て、もしまた経験したことのない状況や問題に直面したときにも、個人個人がその問題に対処する力を備えることができるのではないかと思います。

―「Yawaragi Basis」はとても大きな役割を担っているんですね。

本学では、学部ごとに専門的な教育を受け、社会に出てから、その培った知識や実践を生かすことができます。そして、「Yawaragi Basis」で広く基礎的な知識を学んでいることが、さらなる強みになると思います。本学では、そういった2段構えの教育を主体的に行ってきた歴史があり、素晴らしいことだと思います。

―また、「Yawaragi Basis」は違う分野の学生同士が知り合うきっかけにもなります。

そうですね。小中高生のときには親などの管理下で勉学に励むことが多いわけですが、大学生は独り立ちをして、自分の意思で勉学をします。それと同時に、大学は友人との社会的な付き合いが始まる場でもあります。私自身もそうでしたが、生涯付き合う友人と大学で出会うことも多々あると思います。学生時代に友情を培い、先輩や後輩といろいろな形で付き合うということは、ある意味、“社会性のトレーニング”といえるかもしれません。また、先輩の姿を見て後輩たちが頑張るという、縦のつながりも大切だと思います。


現代のグローバル社会においても

本学の“建学の精神”は非常に重要である


―「以和為貴(和をもって貴しとなす)」や「平等」「寛容」「利他」といった本学の“建学の精神”については、どのようにお考えでしょうか。

「和をもって貴しとなす」とは、相手の気持ちを尊重するということです。そして、人間は平等であること、相手に対して寛容であること、相手のために務めるということ。ところが、これは言うは易しですが、実際にどのように行動するべきなのかというと、なかなか難しいですね。

―どういうことでしょうか。

今はグローバル社会です。私も国立天文台に勤めていたときには、多くの外国人スタッフと国際的なプロジェクトをいくつも進めていました。さらに現代は競争社会で、相手とは違うことをやる、相手より早くやる、相手を打ち負かす、ということが一つの社会の雰囲気になっていますよね。そういった中で「和をもって貴しとなす」という精神を、どう位置付けていくか。

―確かに、こういったグローバル化や現代社会の風潮の中で、仏教精神の位置付けは難しいことのように思います。


しかし、実は私の経験から言うと、私が一緒に参加した大きな国際的プロジェクトのマネージメントをするリーダーたちはみな、この「和をもって貴しとなす」の精神や、「平等」「寛容」「利他」の精神をもって、相手とうまくコミュニケーションを取っていたんです。やはり、ものを動かすためには、多くの人が協力してやらなくてはいけないわけです。そこで、相手と平等に話し合ったり、相手の成功や失敗を喜んだり慰めたりすることで、相手を尊重することが、やがて自分たちのためにもなるんだと分かっている人がマネージメントをすると、そのプロジェクトは成功するんです。

―国際的なプロジェクトを進めるマネージメントにおいても、仏教精神や本学の“建学の精神”と通じるところがあるというのは、とても興味深いお話です。

人間は社会、つまり“おかげさま”の中で、協力しながら生きているわけです。相手とうまくコミュニケーションを取って協力し合い、時には競争もしながら、社会の中で生きていくためには、この仏教精神というのが、非常に重要なのだと思います。

―“おかげさま”の中で生きている。素晴らしい言葉ですね。

先ほども言ったように、人間が自分一人で生きているというのは大きな間違いです。私たちは、実は60兆個もの細胞でできています。お父さんとお母さんからもらった、たった1個の細胞が60兆個にもなっていく。私たちの身体の中には、ひとつの小宇宙があるようなものです。

―そう考えると、“自分”という人間の捉え方がぐんと広がる気がします。

お父さんお母さんのおかげがあり、いろいろな植物や動物の命をいただいて、栄養をもらって60兆個にまで細胞が増えていく。そして、社会の中で生きていくわけですから、自分は“生きている”と同時に、“生かされている”ということなんですよね。そして、それぞれに60兆個もの細胞をもつ人間同士なわけですから、お互いをリスペクトする、尊重することは非常に大切なことだと思います。


学生のみなさんには、夢を持ち、

チャレンジ精神の豊かな人であってほしい


―最後に学生のみなさんに、どのような学生生活を送って社会へ旅立ってほしいか、お聞かせいただけますか。

学生のみなさんには、夢を持ってほしいと思います。自分はどういう人になりたいか、どういうことをしたいか、どのように社会で活躍したいかという夢を持っていてほしい。そして、チャレンジ精神の豊かな人であってほしいと思います。


―まずは夢を持ち、それに向かってチャレンジすることですね。

そして、いろいろなことに積極的になってもらいたいですね。友人とのことでも、クラブ活動でも、勉学でも、何に対しても。そうした積極性というのは、悩みや難しい問題を抱えたときにも大切なことだと思います。一人で抱え込まず、友人や教員や誰かに相談することで、解決の糸口が見つかることもあると思います。学生のみなさんは夢とチャレンジ、積極性をもって、ぜひとも本学での学生生活を有意義に過ごしてください。


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