第5回岐阜聖徳学園大学外国語学部杯高校生英語レシテーション動画コンテストが開催されました

2021.10.26

 英語の物語、スピーチ、映画の1シーン、TED.comなどから、2分程度の英文を暗唱して、相手に意志を伝える高校生英語レシテーション動画コンテストの応募が締め切られ、このほど審査が行われました。開催者の立場から岐阜聖徳学園大学外国語学部長尾純准教授にお話を伺いました。


このコンテストはどのような趣旨で開催されていますか。

高校生の英語での表現力の向上を目指しています。英語の発音の習熟度、強勢やイントネーション、リズム、ボディーランゲージや目線などを審査基準にし、評価をしています。

今回はどのような方が審査にあたられましたか。

学外の方を含め3名の審査員で評価をしました。次の3名の先生方に審査をお願いしました。

Rachael Emery(ラシェル・エメリ)岐阜市の岩野田中学校と岩野田北小学校で教えているALTの先生

Clair Taylor(クレア・テイラー) 岐阜聖徳学園大学外国語学部准教授

Alan Thompson(アラン・トンプソン) 岐阜聖徳学園大学外国語学部准教授

コロナ禍での開催でしたがどのような感想をお持ちですか。また今後の方向についてのお考えをお聞かせください。

 色々と準備は大変でしたけど、毎年いつも生徒さんたちの頑張っている姿を見て「ああ、やって良かった」と思うんですよね。そして来年も是非!ってなるんです。コロナの影響でオンライン動画投稿型のコンテストになって、今回で2回目ですけれど、このままのスタイルを持続させたいなと考えています。

 ただ、来年はもう少し参加した人たち同士の交流があるような工夫があるといいかなと考えています。例えば結果発表動画は事前に作っておいて、それをZoomを使ってライブ配信するとか。コメントやリアクシションがでできるようなものにしたいなと。そして、賞を取った人のコメントなんかもリアルタイムで聞いてみたいですね。

なるほど、参加者同士の交流があることは素敵なことですし、刺激も大きいですね。

今年はどのくらいの参加がありましたか。

岐阜県内にとどまらず各地から15校、全42名の高校生の参加がありました。厳正な審査の結果、上位入賞者は次の通りになりました。

【上位入賞者】

1位 三重県立松阪商業高等学校1年生 ルズン クリスチャン

2位 三重県立松阪商業高等学校1年生 ルーズ ソフィア

3位 光ヶ丘女子高等学校1年生 近藤 亜沙美

4位 岐阜県立恵那高等学校2年生 片田 ゆの

【奨励賞】

岡山龍谷高等学校 2年生 山田澪 /岡山龍谷高等学校2年生 有吉蒼来 /神戸龍谷高等学校1年生 岡田帆夏 /名城大学附属高等学校2年生 村上直也 /津西高等学校2年生 酒井七海 /伊那西高等学校1年生 中島ユリアン /加茂高等学校3年生 伊佐治百花 /伊那西高等学校2年生 ササノリエ /津西高等学校2年生 森一真

【参加学校】

愛知啓成高等学校 滋賀県立長浜北高等学校 岐阜県立恵那高等学校 岡山龍谷高等学校 神戸龍谷高等学校 三重県立松阪商業高等学校 滋賀県立米原高等学校 三重県津西高等学校 名城大学附属高等学校 光ヶ丘女子高等学校 岐阜県立加茂高等学校 伊那西高等学校 東北学院高等学校 富田高等学校 富山私立富山第一高等学校


結果発表の動画はこちらからご覧いただけます。(約42分)

https://drive.google.com/file/d/1erDAt60yhDsy5lxXtzgDSu6cehuK6Ifa/view?usp=sharing


審査員の先生方はどのように評価されていましたか。

 審査員の先生方は、「素晴らしかった」と口を揃えておっしゃっていました。また、参加してくれた高校生たちに向けてコメントとアドバイスを動画に収めてくれました。その動画は結果発表の動画の最後に含めたので、参加してくれた高校生はみてくれたことと思います。                     

 ここではその動画でのコメントを一部抜粋して日本語に訳してご紹介しますね。

 "私は審査員の一人でしたが、すべてのレシテーションを見ていて、その努力と効果に感銘を受けました。すっかりと見入ってしまいました。上位のエントリーでは、出場者が言葉を注意深く考え、メッセージの意味を考え、その言葉をどのように表現するかを考え、本当に効果的に表現できるように練習していたのがとても印象的でした。この度の経験はきっと皆さんにとっても有益なものだったと思います。言語能力を高めるだけでなく、批判的思考や教養を身につける上でも、とても良い経験になったことでしょう。改めて、おめでとうございます。これからも挑戦し続けてください。ありがとうございました。”(アラン・トンプソン先生)

 "とてもいいレシテーションでした。私が最も感心したのは、皆さんの話し方で、目の前に生身の観客がいるかのように、左から中央、右へと目線を移動させてスピーチをしていたことです。観客がいない状況でそれは非常に優れた賢い方法でした。今回は1点だけアドバイスさせてください。皆さんの発音はなかなか良かったのですが、もう少しだけ練習したほうがいいですね。スピードは素晴らしかったのですが、スピードよりも発音の方が重要だと思います。/r/や/l/、/v/、/ð/などの発音をまずは練習しましょう。それができるようになってから、話すスピードを上げることに集中してください。それ以外の点では、皆さんは本当に素晴らしかったです。おめでとうございます。”(ラシェル・エメリ先生)

 "まず最初に、おめでとうと言いたいです。すばらしい暗唱でした。みなさんは本当によくやったと思います。私たちは、みなさんの話し方、発音、ジェスチャー、そして何よりも、みなさん がどれだけ一生懸命に取り組んだかに感銘を受けました。努力しているのが手にとるように分かりました。そして、良くない暗唱は1つもありませんでした。みんな素晴らしかったです。今年はレベルが高かったので、審査がとても難しかったです。まずは、おめでとうございます。自分を誇りに思ってください。みなさん本当によくやったと思います。次に、来年、あるいは将来的に大学のレシテーションコンテストやその他の同様のイベントに参加したいと考えている人に、いくつかの提案をしたいと思います。もちろん、コロナウィルスが早くなくなって、対面式に戻れることをみんな願っていますが、念のため、もしオンラインの大会に応募する場合は、カメラに近づきすぎないようにしましょう。カメラに近づきすぎて顔しか見えなくなると、ジェスチャーや体が見えなくなってしまいます。顔だけを見ていると、ストーリーの一部しか見えてこないのです。そのため、少しカメラに近づきすぎた生徒さんがいました。少し離れて、理想的には立って、体全体が見えるようにすることをお勧めします。そうすれば、あなたが伝えようとしているメッセージの全体像が見えてきます。次のアドバイスは、数字を表すジェスチャーについてです。生徒さんの中には、"1、2、3、ファースト、セカンド、サード "と数字のジェスチャーを使っている人がいました。それは全く問題ないのですが、数字ではなく他の単語を言っているときに、そのようなジェスチャーを使っている生徒さんが何人か見受けられました。それは英語ではおかしいです。数字を表すジェスチャーを使っているのに、数字ではない単語を言っていたら、聞いている方は混乱してしまいます。だから、それは避けたほうがいいと思います。数字のジェスチャーを使うのは、実際に数字を言うときだけにしましょう。もうひとつ注意したいのは、英語では数字のジェスチャーは5までしか使えないということです。"1, 2, 3, 4, 5." いくつかの言語では6や7を言うことができますが、そのようなジェスチャーは英語にはありません。ですから、英語で話している場合は、数字のジェスチャーは5で止めておきましょう。さて、まだいくつかアドバイスがあります。最初から最後まで1回の撮影で、途中ビデオの編集はしないようにというルールがありますね。というのも、生徒さんの中には、本当に努力してすべてを記憶し、最初から最後まですべてのスピーチを暗唱した人もいるからです。それはとても素晴らしいことです。しかし、そのような努力をして暗記している生徒さんがいる一方で、他の生徒が一部分ずつ撮影してビデオを編集しているのはフェアではありません。だから、暗唱中の動画の編集は一切しないでください。ワンテイクでお願いします。さて、最後のアドバイスはアイコンタクトについてです。皆さんの中には、これがとても上手な人もいました。経験を積んできたのだと思います。しかし、カメラに向かって目を合わせず、部屋を見渡している人もいました。審査員の目を見るのです。このようなオンラインコンテストの場合、必要なのはカメラを見て、カメラと目を合わせることなのです。審査員が見ているときは、私たちと目を合わせているように感じます。そうすると、メッセージにも力が入ります。入賞まであと一歩という生徒さんも何人かいました。スコアは本当に僅差でした。私はその生徒さんたちにエールを送りたいと思います。私はあなたの暗唱にとても感銘を受けたので、素晴らしかったのにも関わらず、残念ながら賞を得ることができなかった人の名前を挙げたいです。私が本当に感銘を受けた生徒さんたちです。ビデオに書かれた名前は「くらげ」で、スピーチはマララのスピーチだったと思います。素晴らしかったです。情熱を感じました。感動しました。本当によかったです。私はただおめでとうと言いたいです。感動的な暗唱でした。もうひとつ、とても目立っていて、心を動かされたと思ったのは、動画の名前が「Adriana Somoyama」と書かれた生徒さんです。Make Your Life Spectacularっていうテーマでしたね。暗唱の後半は私を感動させ、私はそれを心で感じました。そのことを知ってもらいたいです。お疲れ様でした。もう一人、私が本当に感動したのは、「Sora Ariyoshi」さんです。English Maniaの話をしていたのですが、発音や話し方がとても良かった部分がありましたね。本当にすごく良かったです。視線を部屋中に動かしすぎるのではなく、カメラに向かって視線を合わせる方法をもう少し学ぶと、今後このような大会に参加する場合、より高いスコアを獲得できると思います。そのためにも、カメラとのアイコンタクトの練習をしてください。最後に、みんなよくやった、よくやったと言って締めくくりたいと思います。そして受賞者の皆さん、おめでとうございます。素晴らしい暗唱でした。本当に大学レベルだったと思います。高校生がこのような素晴らしい暗唱ができるとは思っていませんでしたので、どれだけ感動したかをお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました。”(テイラー・クレア先生)


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