【男子ハンドボール部】チームの成長を実感したインカレ出場

2021.11.17

高松宮記念杯全日本学生ハンドボール選手権大会に5年ぶり3回目の出場を果たした男子ハンドボール部。コロナ禍の中で無観客開催となりましたが、力を出し切り、チームはいよいよ新体制になるとのこと。監督、コーチ、主将に大学部活動の考え方、ハンドボールの魅力などについてお話を伺いました。

*高松宮記念杯男子第64回女子第57回全日本学生選手権 2021/11/06 〜 2021/11/10 山梨県甲府市


【プロフィール】(写真右から)

田口 隆 Taguchi Takashi
岐阜聖徳学園大学男子ハンドボール部監督
出身地:岐阜県 出身校:岐阜県立岐阜商業高等学校(岐阜) 日本大学商学部商業学科(昭和59年卒業)/ 本田技研工業株式会社(実業団選手)、三重大学非常勤講師を経て現在、岐阜聖徳学園大学経済情報学部教授
2010年4月岐阜聖徳学園大学男子ハンドボール部監督就任、一時休職(2020年東京オリンピック関連)、 2021年4月現場復帰、現在に至る。
選手として日本リーグ・国民体育大会等、各種国内大会にて優勝経験があり、 日本代表選手として2度のオリンピック予選(ソウル・バルセロナ)、アジア大会・世界選手権大会等に出場。
また、指導者として1999年全日本代表監督就任をはじめ、3度のオリンピック予選(アトランタ・シドニー・アテネ)、 世界選手権大会等、国際大会での指導経験を持ち、国内では日本ハンドボールリーグ最優秀監督賞受賞をしている。 本学監督就任後、東海学生リーグ1部昇格・西日本学生選手権大会出場・全日本学生ハンドボール選手権大会出場

千種 泰司 Tikusa Taishi
岐阜聖徳学園大学男子ハンドボール主将
出身地:三重県 出身校:エスコラピオス学園海星高等学校(三重) 経済情報学部4年
令和2年度東海学生ハンドボール選手権大会(東海インカレ)3位、 第60回西日本学生ハンドボール選手権大会出場、第64回全日本学生ハンドボール選手権大会出場

浅野 航己 Asano Koki
岐阜聖徳学園大学男子ハンドボール部コーチ
出身地:愛知県 出身校:名古屋市立緑高等学校(愛知) 岐阜聖徳学園大学経済情報学部(平成30年卒業) 本学経済情報学部卒業後、聖徳学園事務職員として入職、岐阜聖徳学園大学男子ハンドボール部コーチ(4年目) 現在に至る。
(第53回~56回)西日本学生ハンドボール選手権大会出場・第60回全日本学生ハンドボール選手権大会出場 本学在学時は平成29年度卒業生代表(答辞)を務める。


日々の積み重ねのなかで

ー出場おめでとうございます。5年ぶり3回目の出場ということですが。

浅野 前回出場は4年前、第60回でしたが、コロナ禍により昨年未開催のため、5年ぶり、4大会ぶりということになっています。

ー普段の活動はどのようにすすめられていますか。

千種 部員はマネージャー含めて29名で活動しています。週6日練習をしていますが、2日はウエイトトレーニングをしています。


ー今年のチームはどのような特徴がありますか。

田口 今年の4月から監督に就任したが、選手の目標として大学生として最高の大会のインカレに出場することがあげられていたので、前任の伊東監督が育てられたチームを、一緒にインカレに行くことができるように指導してきました。目標が明確なっていることが方向付けになりました。そこに目標があるということが確認できたこと、目標に向かう意識のある学生のいるチームであることが分かりました。

千種 田口監督からは「一人一人考えて行動しろ」ということを言われていて、一人一人が高い意識を持って行動できるチームになってきました。ハンドボールに関することはもちろん、監督の言われることを理解し、考えて練習に取り組むことができるチームです。

浅野 中長期に目標を具体的にして、西日本大会ではここまで、と目標設定をし、一つ一つクリアすることができるチームです。その結果が本学初のベスト8に入り、インカレ出場をつかむという、ストーリー性のある活動ができています。


インカレに出場して学んだこと

ー実際に試合してどんなことを感じましたか。

千種 全国大会ははじめてでしたが、「上には上がいる」ことを実感し、全国の厳しさを肌で感じました。フィジカルや戦術理解などすべてが相手の方が上だと感じました。

田口 今回で3回目の出場で、過去2回も初戦で敗れたので、三度目の正直で初戦突破を目指してきました。それに向けて計画を立て、実践も含め準備を進めてきました。初戦突破はかないませんでしたが、引き続き計画は続けていきます。実際にインカレに出場して、全国とのレベル差やチームの良いところも弱いところも自分たちで感じることができましたので、これからの練習の中で内容に深みが増していくと思います。

私は、高校生で全国大会に出て、高校生と大学生の差を感じながらも、偶然大学でインカレに出るようなチームに入ることができ、普段から先輩方の厳しさの中で育ってきました。とはいえコーチや監督から言われることをそのままやるのではピンとこないこともありました。ここで「自分で考えること」の大切さに気づきました。今回インカレに出場し、選手自身が感じたことがこれからに活きていくと感じています。これこそ一番貴重な経験だと思います。

ーインカレ出場がこれからのチームづくりにも影響しますね。

田口 普段のトレーニングは、誰がレギュラーで誰がベンチということはなく、チームとしてみんながやることを大切にして練習をしています。チーム全体の理解度はまだまだまだこれからあげていかなければなりませんが、みんなで試合に向けての準備をしてきたので、誰が出ても遜色のない一定のチームづくりをすすめることができました。みんなが普段の生活もひとつの方向に向いて練習できたことはよかったと思います。


「すべてのことがハンドボールにもつながる」

ー普段の生活もという言葉もありましたが、日頃から意識していることはありますか。

千種 監督からは「すべてのことがハンドボールにつながる」といわれ、その逆に「ハンドボールが私生活につながる」ともとれ、ハンドボール以外でもハンドボールのことを考え、あたりまえのこととは言え、早寝早起き、学習に対する意識も変わっていきました。

田口 学生も社会の一員として、大学の中とは言えコミュニティの中で生活しています。その中でクラブ活動をしています。見えないところでいろいろな方々に支援されていますし、声はかけないけれども期待をしてくださっていることにも気にかけながら過ごしていくと更によくなるのではないかと、キャプテンはじめメンバーに話しをしています。責任を持った言動、失敗した後にどのような行動をとるか、次に大きな成功につなげられるように自分のことだけを考えるのではなく、周りを見て行動するよう学生には耳が痛いと感じるほど声をかけています。

ー観山学長が「大学生活は社会性のトレーニングにつながる」と仰っていますが、通じる内容がありますね。

浅野 監督は練習の中でハンドボールを通して生き方を説明されていますが、私は、教務課に勤務していることもあり、学業面、生活面について半年に一回は個人面談も含めて選手と話しをするようにしています。通いの子や寮に入っている子がいますが、一人一人の私生活の相談を含め指導しています。

ー面談のことを伺うと一人一人を大切にしている、人間育成にも手厚いと感じます。

田口 世の中は回っていると思うんです。私自身も学生の時は失敗もし、先輩にも迷惑をかけながら過ごしてきました。今自分がそういう年齢や立場になり、年上の方には何かできるということはないのですが、その分若い人に自分の経験や考え方を伝えるようなことができればと考えています。今すぐに理解できなくても将来理解していただくことで、その人の人生が豊かになる一助になればいいなあと思っています。時代とともに変化していますので、私の育った時代とはいろいろなことが違います。こうしなければならないということではなく、若い人が自分で活用して、自分で成長できるような手助けをしていくことは監督をしていなくても私たちの役割だと思います。

ーチームづくりの根底に「相手のことを考える」ことがあるように感じます。


ハンドボールの魅力は?~スピード感・ダイナミックさ

ースポーツの世界もどんどん進化していますね。

田口 はい、日々進化しています。体づくり、栄養、ハンドボールの技術、チーム全体でどのように戦うかという戦術、そこに向けてどのような戦略を立てるかということなど進歩している部分と今まで明確になっていなかったことが、ある意味エビデンスが付けられ証明されてきている部分がたくさんあります。成功例が具体的に紹介されるようになってきました。若い人にもどんどん学んで欲しいと思います。

ー今、戦術などの話しも出ましたが、他チームの動画を観るなどして勉強されますか。

千種 インターネットで他チームの動画などを観ました。自分がゴールキーパーなので、声かけの様子やかけひきを中心に観ていました。

ー日々進化するスポーツの世界ですが、ハンドボールの魅力について教えてください。

浅野 コートのサイズはフットサルの大きさに近く、試合の内容はバスケットボールと似ていて、みんなで攻めてみんなで守るという動きです。体が接触することでダイナミックさはありますが、どこまでがファウルなのかなど観ている人には分かりづらい点もあるかもしれません。体が接触することは他のスポーツにはないので魅力と言えるかもしれません。

田口 観る側の人の立場からすると、よりスピーディーでダイナミックスであることが魅力になっています。以前はハンドボールもひとつのファウルがあるとホイッスルが鳴ってゲームの流れが止まってしまいました。時代と共にルールが変わり、攻守の切り替わりが速くなりました。これはハンドボールの魅力です。今のファウル何だったかなと思っているうちに切り替わっているので、初めて観られる方は分かりづらい点もあると思います。

ゲーム全体を見ていただくと大変スピーディーで、身体接触もある程度許されていてます。得点もある程度入り、1対0とか0対0で終わるようなケースはないので、手でのボール操作では片手での扱いや回転を付けるなどのテクニックがあります。スピーディー、ダイナミック、様々なテクニックのシュートなど全体を観ていただくとよいのではないでしょうか。

スポーツは観る人、する人、支える人がいて成立している。魅力のあるチームは、観る人の立場で応援してもらっている人への表現を求めていくことが、ベンチも含めてできることが必要ではないかと思います。ここまでいくとやっている方も楽しくなってきます。

ー観る人、する人、支える人ということがでてきましたが、今回は無観客開催でしたね。

千種 やはり有観客だと気持ちも違いますので、会場の盛り上がりも違ってきますね。観客の有り無しにかかわらずやることは同じです。

田口 三者というお話もありましたし、速くコロナが収束し、観ていただく方と一体でプレイできるとよいですが。

ーハンドボールの魅力を伺ってきましたが、大変なこともありますよね

千種 ぶつかり合いなので怪我のリスクやゴールキーパーなので6メートルからの思い切りのシュートは怖いです。

田口 ハンドボールは60分の中で攻守がどんどんかわり、休む間もない。とはいえ、スピードが要求されるので60分間連続するスピーディーな動きをする有酸素能力、持久力、体の強さ、重さも必要になってきます。小柄な選手はジャンプ力を鍛えるなど、ハンドボールの中に様々な要素が入っていて、それをトレーニングするのが大変だと思います。通常の心拍数の時と心拍数が上がった時とでは止まっていれば見える物も見えないこともあります。その中で正しい判断を求められるのでそういったことも大変だと思います。だからやっている間は楽しくないんじゃないですかね。

千種 トレーニングは大変ですが、試合中にそれが体現できたら楽しいと感じることができます。

ーあの動きの中で正しい判断をするためには、周りを見ていないといけないと思いますが

田口 個人によって随分力が違います。どのスポーツもそうですが相手の動きを見ないといけません。自分の動きはイメージできても相手のプレイはイレギュラーなことが多いです。短時間の中で正しい判断をすることは大変です。失敗すると達成感は得られません。継続する中で、これを越えれば成長できる、強く監督に言われたとき、レギュラーになれるかどうかの時など自分がポジティブに考えていくことが大切ではないでしょうか。

ー厳しさの話題が出ましたが

浅野 ハンドボールの事は、主に練習等活動している時に話しをすることが多いです。私生活も部活につながるし、部活動も私生活につながることを考えると、面談の時には学業のことも厳しく話します。大学スポーツである以上本分がおろそかにならないよう、大学生活の一部となるよう指導しています。練習に関しては、今でも一緒に入れる時は入り気づいたことはその場で話します。同じ目線で練習の意図などを話します。


新チームで大切にしたいこと

ー後輩に伝えたいことはどんなことですか。

千種 インカレが終わり全国のレベルの高さを実感したと思うので、意識を変えて一回戦突破をしてベスト16をめざし、高い意識で進んで欲しいです。自分はこの1年キャプテンとして監督やコーチの話を聴く機会が多く、その中で相手の立場にたってものごとを考えることが少しできるようになったように感じます。叱られて萎縮するのではなく、自分たちの成長のために言っていただいているという言葉の裏にあることをもっともっと感じて頑張って欲しいです。

ー新チームに期待することをお聞かせください。

浅野 1年かけてどんなチームにしたいのか明確にし、目標を決め、ひとりずつ成長して、スポーツをする以上結果も大切なので、今年以上の結果を残していけるといいですね。又、相手の立場に立ち物事を考えること、たくさんの人に支えられている事を理解し、思いやりと感謝を忘れず、応援されるようなチーム、個人を目指すとともに、ひとりの大人、社会の一員として活躍できるような人材に成長して欲しいですね。

田口 学生でいう最高の大会に来年も出られたらいい。目標を達成するために人と時間を大切にできるチーム選手スタッフでありたいです。信頼関係を築くこと。人から信頼されるためには自分が相手を信頼すること。まずは人とのつながりを大切にしたい。次に時間を大切にして欲しい。体育館の使用にしてもその時間は他の学生も使いたい時間であることを考えていきたいです。無駄な時間はありません。大学は4年間しかありません。1年1年を大切にしてその中で人間関係も築き、伝統のあるチームになっていくことを期待しています。

ー一体感のあるチームのよさが伝わってきました。本日はありがとうございました。









 





 

記事ランキング
Access Ranking

人気のタグ
Popular Tags

関連記事
Related Post