OB/OG Interview 01 鬼頭 利成さん
2020.1.20教員のやりがいの大きさは、
子どもたちを預かる責任の重さ
本巣市立真正中学校校長
鬼頭 利成 さん
[きとう・としなり]
岐阜県出身。岐阜聖徳学園大学を卒業後、御嵩町立伏見小学校の教員として勤務。その後、穂積町、岐阜市の中学校教員、岐阜市教育委員会の勤務を経て、2019年度、校長職に就く。
活発な先生に憧れて
ー教師を志されたのはどうしてですか。
小学5年生の頃に、活発な先生に憧れて漠然と先生になりたいと思い始めました。
ー具体的に印象的な先生との出会いがあったのでしょうか。
当時の担任の先生にかわいがってもらったことが大きな理由だと思います。その先生が放課後の誰もいない教室で採点をしている姿がすごくかっこよく見えたんです。
ー憧れを抱いたんですね。
活発でスポーツも万能で、子どもながらに先生には敵わないようなところに憧れていたように思います。
ーその後はどのような進路を選ばれましたか。
教員の道を具体的に考え始めたのは大学受験の時でした。それまでは英語の教師に興味がありましたが、進学する時点で岐阜聖徳学園大学には英語科がないことがわかったので、小学生の頃から好きだった社会科を選ぶことにしたんです。
ーそうだったんですね。
教員生活31年になりますが、今となっては社会科の教員になってよかったと思っています。社会科というのは人間の営みを考えることなので、子どもたち一人ひとりの個性が出ます。中学生ともなれば一人の人間としての意見が聞けるので、おもしろいです。
学校の〝最後の砦〞
ー真正中学校の校長先生になられていかがですか。
この春から校長になり、心持ちはがらっと変わりました。教頭の時までは「校長先生、どうしましょう?」と聞けたのが、今は私が最終決断をしなくてはなりません。
ーより責任が重くなりますね。
体育館の舞台に立ち、全校生徒の前で話すときには、子どもたちが集中して話を聞いてくれれば聞いてくれるほど、無垢な子どもたちを預かっているのだという責任を感じます。
ーほかにも何か変わられたことはありますか。
今までは自分の学級や学年のことだけを考えていましたが、校長になってからは職員のことも考えます。元気でやっているかどうか、家庭との両立は大変ではないかなど、まだ3ヶ月しか経っていませんが、これまでに味わったことのない感覚です。
大切なのは「本当に子どもが好きかどうか」
ー大切にされている言葉などがあれば、教えていただけますか。
はじめて校長会に出席した時に、当時の教育長さんがおっしゃった「百の施策より一人の教師」という言葉です。
ーどういった意味なのでしょう。
行政がどれだけ施策を打つよりも、一人のよい教員を増やした方が有益だということです。それを聞いた時に、納得すると同時に教師の責任の重さを感じ、どれだけ子どもたちのことを大切に思えるかということが大事だと思いました。
ー本校についてはどのように思われますか。
岐阜聖徳学園大学には、教員を志すのに素晴らしい環境が揃っています。
ー教員を目指す学生たちに望むことがあればお教えください。
附属学校にボランティアに行ったり、元教員の職員に話を聞いたりするなど、その環境をうまく使いながら、大学生活の中で「自分は本当に子どもが好きかどうか」を常に問い続けてほしいですね。
[大切にしている言葉]
校長室の黒板には、印象に残っている言葉を書き出して掲示しています。これを見ると、教員という職業の責任の重さを感じます。校長になって授業を持つことはなくなりましたが、全校生徒540人とその保護者の皆さんのために、学校経営に尽くしていきたいと思っています。
ー岐阜への想いー
岐阜市で生まれて、長良川の水を飲んで育って、岐阜から出たことがないので客観的にはわからないですが、今こうして岐阜の子どもたちのために仕事をしていることに誇りを持っています。
教師になってからも、岐阜のネットワークには助けられているので、周りの方々に感謝しながら、生涯自分の故郷に貢献していきたいと思います。