TEACHER Interview 03 マギー グレンさん
2020.4.27全て英語で展開する授業の中で、
創造的に深く学ぶ力をつけてほしい
外国語学部専任講師
マギー グレン さん
イギリス出身。2002年に来日。2003年から小中学校のALT教員として子どもの英語教育に携わり、日本の小学校の英語教育について研究。2019年4月より本学に赴任。
日本の文化や民謡音楽に
興味を持って来日
ー日本に来られたきっかけは何だったのでしょうか。
私はイギリスで生まれ育ちました。そもそもは民謡音楽に興味があり、イギリスとアジアの音楽の違いに着目して、日本の祭りの文化や民謡音楽を研究したいと思い、2002年に来日しました。
ー来日して、研究テーマが英語教育へと変わられたんですね。
2003年から、バーミンガム大学の大学院が行なっている通信教育コースで言語学を専攻し、同時にALT(Assistant Language Teacher)教員として、日本の小中学校で子どもたちに英語を教えるようになったんです。
ー子どもたちにとってはネイティブの英語に触れる良い機会でしたね。
しかし、イギリスと日本とでは言語教育の方法がまったく違っていて、なぜ日本では先生がこのように教えるのか、疑問に感じました。
ー確かに、日本には特有の英語教育法があります。
そこで、まず日本の先生たちの英語の教え方を理解しようと、大学院のコースの受講をやめ、ALT教員として教壇に立ちながら、日本の英語教育について 理解を深めました。
日本の小学校の
英語教育について研究
ー2003年からずっとALT教員として現場にいらっしゃったんですか。
はい。そこで、日本の英語教育の現場を充分に理解することができたので、2011年に再び同じバーミンガム大学の大学院の通信教育コースに入り直しました。
ー来日後に受講されていたコースに?
そうです、全く同じ大学の同じコースに入り直しました(笑)。そして、小学校の英語教育について研究しました。
ー小学校の英語教育について、どのような研究をされたのでしょうか。
たとえば、日本では英文を単語ごとに訳し、それを文法にならって翻訳する「文法訳読法」が主に使われています。しかし、それには課題もあります。
ーなるほど。
それから、国が定めている学習指導要領がありますね。
ーはい。日本では教科ごとに学習指導要領が細かく定められています。
それをALTなどの外国人教員がきちんと理解しているのかや、理解した上でどこまでそれに合わせるべきなのか判断が難しいところがあります。
ー現場にいるからこそ気付く課題ですね。
そのほかに、ALT教員と日本人の先生たちとのコミュニケーション不足なども課題であるということを論文にまとめました。
授業ではより多くの
良い質問をしてほしい
ー先生の授業では、何をどのように教えているのでしょうか。
授業には、iPad以外はほとんど何も持たずに行きます。教科書もありません。
ーそうなんですね!
なぜなら学生たちには、授業で私の話を聞いて考えてもらうことが大事だと思っているからです。授業中はすべて英語で展開し、日本語はゼロ。学生からの質問も英語です。
ー英語が苦手と感じる学生にとってはハードルが高いですね。
確かに、学生にとって最初はうまく質問できないことがフラストレーションになるかもしれません、でも、それを壊していくことが大切なんです。
ー自分から積極的に授業に参加するということでしょうか。
分からないことを質問して、みんなで一緒に考えることで、コミュニケーションが生まれます。そういったコミュニケーションを通して楽しさを感じると、それが自信に繋がります。
ー何か学生たちに望むことはありますか。
学生には学ぶことに対する興味を持ち、授業の中でより多くの良い質問をすることを望んでいます。そこから、新しい考えやより深い考えをともに創造していきたいと思っています。
[アクティブラーニング]
私はCLT(Communicating Language Teaching)など、コミュニケーションやディスカッションを大切にしたアクティブラーニングをグループワークで実施しています。たとえば、ある学生の質問に対してみんなで答えを探し、さらになぜそれが正解なのかまで説明できるようにする、より深く考える授業を目指しています。
ー岐阜への想いー
岐阜はイギリスに比べて冬が寒いです(笑)。でも、お店も多くてとても住みやすいですね。
お風呂が好きなので、毎週銭湯に行きますし、下呂温泉にも行きました。
岐阜聖徳学園大学は地域とのつながりが深いので、将来ここを卒業した学生たちも地域に入っていき、この大学の素晴らしさを広く伝えてもらいたいと思います。